胃の内視鏡検査の落とし穴

-上部消化管内視鏡検査を中心に-

内視鏡偽陰性例の特徴
1)内視鏡観察の盲点部の病変
2)スキルス癌や表層拡大病変
3)萎縮移行帯近傍に発生した褪色陥凹
4)微少病変
5)複数病変
6)安易な経過観察
胃がん診断における内視鏡の盲点
1) 噴門部
2) 胃体上部後壁、大彎
3) 胃体下部後壁、大彎
4) 胃前庭入口部前壁、小彎、後壁
5) 屈曲の陰
胃がんを見逃さないための心得
1)潰瘍を見たら癌と思え。経過中一度は生検を行う。
2)褪色病変は萎縮胃粘膜の血管模様の消失に注意する。
3)びらんは近接観察を行い、適宜色素散布を行う。単発びらんに注意する。
4)大きな病変を見つけたなら、他の小さな病変の合併に注意する。
5)経過観察の患者であっても初心に帰り、胃全体を隅無く観察する。
6)内視鏡の盲点部の観察に注意する。
7)粘液はきれいに洗って観察する癖をつける。
8)活動性出血例も観察が不十分になるので経過観察が重要である。
9)検査にあたって常に心身ともに良好なコンディションを保つ。

宮城県対がん協会 がん検診センター 渋谷 大助

 

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